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2023年8月29日(火)

第八回勉強会&意見交換会を開催しました

2023年8月29日(火)

第八回勉強会&意見交換会をリーガロイヤルホテル大阪で開催。参加者は約50名でした。勉強会では、一般社団法人リーダーシップ研究開発機構 藤原尚道様に「Happiness Advantage~従業員とのWin-Winの関係が最高の利益を生む~」と題して、会員企業3社に事前に実施した「組織文化のアセスメント調査」の事例も一部交え、講演をいただきました。その後の意見交換会(グループディスカッション)では藤原様の講演を参考に、「ひと」をテーマに6つのグループに分かれて意見を交わしていただきました。

◆一般社団法人リーダーシップ研究開発機構 藤原尚道様 講演レポート

近年、ビジネス界に方向性を示す二つの流れがあると藤原氏は述べました。

一つ目は、人事評価を廃止する米国企業が急増していることです。人は指摘をされたり、怒られると交感神経が活性化し、反抗的態度をとってしまいます。反対に、うまくできていること・得意なことに対しては副交感神経が動き、脳活動が活性化し、自ら学ぶようになります。企業で活躍する人材とは、臨機応変に学習し、自ら学ぶ人材。つまり、自律自走ができる人材です。そのため、企業は人事評価を廃止しています。

二つ目は、米国の一流大学で「幸せを学ぶ教室」が大人気ということです。「幸せ」とは経験し、成長し、自分の能力を使って人の役に立てること。つまり人生を生きる中で充実感を感じることで、「ハピネスアドバンテージ」と呼ばれています。従業員が幸福を感じることのメリットとして、創造性が3倍、生産性31%向上、売り上げは37%向上すると数値で表されています。

よい人生とは自分が好きなことに自分が大切だと思う人たちと打ち込むこと。金・富ではなく同じ志をもつコミュニティで頼り・頼られ生きることを指します。そういった会社の従業員は会社に貢献する意識が高く、自律自走で自ら学び、自ら経験し、自分の力を最大限に発揮します。結果として企業は儲かるのです。

ところが、日本の94%の従業員が自社に愛着を感じていません。そのような現状で、経営者には人と人の関係の質をよくすること、コミュニケーションの質を高めることが求められると締めくくりました。

◆意見交換会レポート

今回のテーマ「ひと」に基づき、人財採用や教育等、ひとに関する各社の課題や取り組み状況等について6つのグループに分かれて意見を交わしていただきました。

全体的に経営者と社員、情報を発信する側と受けとる側の認識の違い、コミュニケーションの重要性が話題に挙がりました。

コミュニケーション・エンゲージメントを高めるためには社員との面談が大事ですが、面談では社員が率直な意見を言える場かどうかがポイントになります。そのためにも日ごろのコミュニケーションの質を高め、自分の意見を受け止めてくれるという安心感を社員に与えることが必要です。

具体的な各社の取り組みとしては、会社終わりに社員を集めて気軽な話し合いの場を設ける、仕事の合間にちょっとした雑談タイムを取り入れる、社員に興味があることは何かアンケートとる、社長抜きの会議の場を設ける、些細なことでも感謝の気持ちを常に伝える、目を見て挨拶をする、などが紹介されました。

経営者は社員を家族のように大事に思っている反面、その気持ちが社員に伝わっていない現状はとても悲しいことだと思います。相互理解を通じて、社員が己の力を発揮し、充実した人生を送れるよう、コミュニケーションの質向上の重要性が会場全体で認識されました。