ニュース

2024年10月22日(火)

高知工場見学会を開催しました

2024年10月21~22日、高知工場見学会を開催。約20名の会員が参加しました。

株式会社トミナガ様 訪問レポート

船舶、産業機械、ロボットなどに用いられる100㎏から1tクラスの鋳物部品を小ロット多品種で製造する、株式会社トミナガ様(高知県高知市)を見学しました。

トミナガ様は、鋳造の前工程である型製作から鋳造後の機械加工、品質保証までの全工程を社内一貫生産しており、高い品質を維持する為に現場では様々な取組みが行われていました。そのひとつに3次元データの活用があります。3Dスキャナーを用い鋳造品の表面データを精密に測定し完成品のCAD図面データと重ねると、数値に誤差がある部分が記され、寸法不具合が一目瞭然となります。また、鋳造前にシミュレーションを行う事で、事前に不具合を予想し対策できるので、コストや試作時間の削減に繋がっています。

さらにトミナガ様は人材育成にも力を注いでおり、技能検定取得を会社として推進する事で、一人ひとりが高い志しを持ちながらチームワークで品質の高いものづくりを行っています。ボトムアップで会社全体の改革を進めており、社内のデジタル化や業界を超えた広報活動への取組みは印象的で、参加者にとって学びの多い工場見学となりました。

兼松エンジニアリング株式会社様 訪問レポート

 強力吸引作業車・高圧洗浄車の日本トップ・メーカー、兼松エンジニアリング様(テクノベース:高知県 高知市)を見学しました。

 兼松エンジニアリング様の強力吸引車は50mもの高さから吸引できる実証実験も行っており、吸引車の国内シェア90%、洗浄車も国内シェア80%と利用者様から圧倒的な支持を得ています。その理由は「ユーザーのニーズを大切にする」という兼松エンジニアリング様の企業方針にありました。利用者様の使用条件に最適な機種を選べるよう豊富なバリエーションで対応しています。

 また、地元愛に溢れ、今まで大量に廃棄されていた地元名産「高知柚子」の絞りかすを有効活用できる機械を開発しています。マイクロ波を利用した先進の抽出技術で、植物原料から香りを抽出する事ができます。これにより地元の名産品を余すことなく有効活用できるようになりました。さらに地元の学生さんに対して工場見学会を開催し、

「高知で素敵なお仕事がある」とPRを行い地元の活性化にも貢献されています。

 今回の見学会で案内して下さった社員の方、皆様がどんな質問にも丁寧にお答えくださいました。「ユーザーニーズを大切にする企業精神」が浸透しており、学びの多い会となりました。

株式会社山崎技研様 訪問レポート

NCフライス盤の設計開発・製造・販売(受注販売)とマダイ・シマアジ・ブリ等の養殖用稚魚の種苗生産を行う、株式会社山崎技研様(本社工場:高知県香美市)の工作機械を製造する工場を見学しました。

現在、本社工場が立つ場所は山を切り開いた固い岩盤が地盤となっており、加工の段階からミクロン台を目指し、JIS規格よりも高い精度のフライス盤を造る為に、2013年現在の場所に本社工場を移転しました。

お客様の現場のこだわりで1台1台カスタマイズし、丹精込めて製造される機械は40年経っても精度がでる機械として、数多くのユーザーから愛されて、リピート率は60%を誇ります。

工場見学の至る所で耳にした「擦り合わせ」。随所に山崎技研様の品質へのこだわりを感じました。「だれでも、簡単に触って動かせる機械」として、将来のものづくりを担う若い人たちの技術継承に対するこだわりもあたたかく感じた、工場見学会でした。

株式会社技研製作所様 訪問レポート

サイレントパイラー(無騒音杭打機)を主力製品とする、株式会社技研製作所様の圧入技術の情報発信基地、REDHILL1967(高知県香南市)を見学しました。

技研製作所様は1967年に創業。創業者の北村精男氏は工事業に携わった際にサイレントパイラーの原理を発見し、そこから自社製サイレントパイラーの製造を始めます。

一般的な杭打ち技術は、高層ビル建築等で利用されている大型杭打機を利用して、ハンマーで叩いて地中に杭を打ちますが、技研製作所様のサイレントパイラーは、地面の圧入反作用の力を用い、無振動・無騒音で、杭を打つことが出来るのが特徴。現在では道路、鉄道、空港、エネルギー施設、上下水道・用排水、河川、港湾など様々な分野で用いられており、特に東日本震災以降、道路・橋梁・鉄道の復旧工事に多用されるようになりました。

サイレントパイラー・インプラント技術は一般的にはあまり知られていない技術ではありますが、40年以上前からあるこの技術は、私たちの生活を支えています。

高知県のニッチトップ企業として世界を目指す姿に、技研製作所様の今後の益々の発展が楽しみです。