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2024年6月17日(月)

第九回通常総会を開催しました

一般社団法人ものづくりなでしこ(事務局:東京都台東区東上野1-14-5、ユーエムビル8階、株式会社NCネットワーク内、代表理事:渡邊弘子=富士電子工業株式会社代表取締役社長)は2024年6月11日、東京都港区の六本木ヒルズ森タワー49階で第9回通常総会を開催しました。自民党の松川るい参議院議員らご来賓14人、会員75人(いずれも懇親会のみを含む)の計89人が参加しました。

渡邊代表理事は24年度の活動について「前向きに挑戦する皆様にとって、お役に立てる事業を展開していきたい」と語りました。具体的な活動内容は、8月21日に大阪で勉強会・意見交換会(参加者予定60人)、10月21~22日に高知で一泊二日の工場見学会(同30人)、25年1月30日に東京で新年会(同80人)をそれぞれ予定しているほか、ウェブでBOURGEON会員向け事業承継セミナーを年2~3回(同各20人)行います。このほか、関東でBOURGEON会員交流会(同10人)を行う予定です。これらにより会員相互の連携や交流を促進するとともに、会員企業の継続的な発展につなげます。

24年度の理事は前年度と変わらず、以下の10人体制となります。

代表理事=富士電子工業株式会社(大阪府八尾市)の渡邊弘子代表取締役社長

副代表理事=日本電鍍工業株式会社(さいたま市北区)の伊藤麻美代表取締役社長

副代表理事=昭和電気鋳鋼株式会社(群馬県高崎市)の手塚加津子代表取締役社長

理事・会計監査役=小松ばね工業株式会社(東京都大田区)の小松万希子代表取締役社長

理事=海内工業株式会社(横浜市緑区)の海内美和代表取締役社長

理事=株式会社井上鉄工所(埼玉県上尾市)の井上裕子代表取締役社長

理事=株式会社太陽堂封筒(東京都新宿区)の吉澤和江代表取締役社長

理事=アルファ電子株式会社(福島県天栄村)の樽川千香子代表取締役社長

理事=株式会社岡部マイカ工業所(福岡県中間市)の岡部紗代子取締役

理事=株式会社トミナガ(高知県高知市)の島田佐代営業部兼マーケティング部課長

 総会に引き続き、国立大学法人 九州工業大学大学院情報工学研究院知能情報工学研究系の徳永旭将准教授が「AI(人工知能)はモノづくりの人手不足を解消できるか?~30年運用できる外観検査AIを目指して」と題して講演を行いました。徳永准教授はまず、「製造業従事者のうち、検査にかかる人的コストは全体の20~30%で、数百万人に相当する。負担を減らして、製造業の本質部分に人をシフトできれば伸びしろになる」と、AI技術を用いて外観検査のプロセスを改善する方向性を示しました。しかし、社会実装は道半ばであり、「課題はAI構築、実装時、人との協働、長期運用。生産ラインにおいて大量の不良画像を収集することは極めて困難だし、検出したい不良の種類が多岐にわたることもある。あるべきものがないという不良もあるし、農作物などはすべて異なる外観だ。説明可能性についても、モデル誤りやバイアスの問題は人命・倫理のかかわりにおいて深刻となる」と、課題山積の認識を明らかにしました。また、30年間運用できるAIの創出に向けては「AIの悪用による敵対的攻撃の可能性がある。撮影装置は必ず経年劣化するし、頻繁に変更が生じる外箱・容器のデザイン、素材の影響を補正するアダプテーション技術が重要になる」と指摘しました。これらに対して九州工大では、「MR(複合現実)技術に基づく人間中心型、自律型AIを研究」しており、「不良画像ではなく、良品のデータを収集・解析することで一定の成果を収めている」と報告しました。

続いて会員PRに移り、株式会社トミナガ(高知県高知市)の島田佐代営業部兼マーケティング部課長が、新しく作成した三つ折りのパンフレットをもとに企業紹介を行いました。「高知県はモノづくり企業が少なく、人口減少も進んでいる」中で、同社の鋳物製品は船舶、産業機械、ロボット、射出成形機などさまざまな業界で使われています。いまでは「関西地方からの受注が6割を超え、鋳造用模型の社内製作に乗り出す」など経営を進化させています。「男女関係なく育児休暇を取得できる」のをはじめ、働きやすさにもこだわっています。

また、株式会社技研製作所(高知県高知市)の前田みか取締役専務執行役員が事業概要を紹介しました。高知発祥の東証プライム上場企業である同社は、圧入工法で地中深く押し込まれた杭の一本一本が地球と一体化し、防災インフラとして機能するインプラント工法を得意としています。2022年には超小型電気自動車(EV)専用の機械式駐車場「EVエコパーク」を開発、23年には圧入技術の情報発信基地「RED HILL 1967」をオープンするなど社会課題解決の活動を強化しています。「男性育児休暇取得が100%」なのも自慢です。

最後に、株式会社T.M.A.(東京都江戸川区)の菅原満巳代表取締役が、現場改善のコンサルティングや人財育成を専門とする事業の紹介を行いました。「徹底的なムダ排除で人を尊重し、生産性向上させる」セミナーや出版物発行を行っています。ものづくりなでしこ会員には10月までに開催するセミナーの50%引き優待をしてくださるそうです。

その後、懇親会が開かれ、松川参議院議員、経済産業省製造産業局素形材産業室の星野昌志室長、経済産業省関東経済産業局の太田雄彦局長がそれぞれあいさつしました。武蔵野大学の長谷川榮一客員教授が乾杯の音頭を取り、ものづくりなでしこと会員企業のますますの発展を誓い合いました。手塚副代表理事のあいさつで閉会しました。