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2024年1月18日(木)

2024年新年会を開催しました

一般社団法人ものづくりなでしこ(事務局:東京都台東区東上野1-14-5、ユーエムビル8階、株式会社NCネットワーク内、代表理事:渡邊弘子=富士電子工業株式会社代表取締役社長)は2024年1月18日、東京都千代田区の霞山会館で新年会を開催しました。コロナ禍終息に伴いオンラインはなく、リアル参加77人に来賓11人を加え88人が参加しました。

懇親会に先立ち、アルファ電子株式会社(福島県天栄村)の樽川久夫代表取締役会長が「事業承継」をテーマに基調講演を行いました。樽川会長は2023年に3人姉妹の二女である千香子さん(ものづくりなでしこ理事)に社長を譲ったばかりです。ここに至るまでに、どんな葛藤があったのかをお話いただきました。

アルファ電子は、医療機器や電子機器などの開発支援から量産組み立てまでを行う、ものづくりの総合サービス会社です。樽川会長の父が1969年に創業し、樽川会長が入社した77年は「10人くらいの会社だった」と言います。若き日の樽川会長は、普及期にあったVTRに目を付けて社業を拡大し「500人規模に拡大」する絶頂期を迎えます。ところが91年にバブル経済が崩壊し、売り上げは大幅にダウン、大規模リストラを余儀なくされます。1社取引から3社取引へと顧客層の厚みを増し、V字回復へとつなげるものの、2001年にはITバブル崩壊により、またも窮地に。「3年間で売り上げが80%ダウンした」そうです。「残った社員や友人・知人に支えてもらい、顧客の数を増やしてリスクを分散する戦略に舵を切り、3年後には40社を超える顧客を獲得」。売り上げはバブル期のレベルまで回復しました。

しかし、苦難は続き、08年にはリーマンショックが起きます。そこで「民生機器への偏りを是正するため、医療機器にチャレンジ」しました。さらに11年には東日本大震災。「10日間で完全復旧を果たした」ものの、今度は急激な円高に苦しめられます。そこから「成長分野への業態転換」に乗り出します。

事業承継については、震災前に「二女の夫が入社してくれ、それから長女の夫も入社してくれた」と言います。ところが震災で、「長女夫婦は神奈川に避難、新潟への避難から戻った二女は離婚」し、「一度は事業承継をあきらめた」そうです。「大手企業の役員をしていた人に来てもらい、後継者育成もした」そんな矢先に、千香子さんが「私がやる」と覚悟を示してくれました。

それは「震災による風評被害で、大手顧客2社が離れかかった」時でした。「医療機器に存亡をかけた投資を行うものの、パーキンソン病治療器の治験がなかなか通らない。蓄電池の生産を始めるものの、売り上げ計画がズレ込む」。千香子さんと大喧嘩していた樽川会長は「娘のために、銀行に頭を下げた」と言います。

それから、東日本大震災事業者再生支援機構の再建計画を実行に移し、ワンマン型から自走型への組織改革を「娘と大喧嘩しながら」行います。千香子社長は次世代経営を標榜して、「儲からない仕事はやりません宣言」を行い、不採算事業から撤退するとともに、単価交渉に乗り出します。栃木事業所閉鎖を決めて、社員の再就職先をすべてあっせんしました。また、食品事業部を立ち上げて、米粉とでんぷんだけでつくる「う米めん」の開発・販売に乗り出します。

そんな千香子社長を見て、樽川会長は「ぶつかって良かった。娘の覚悟や強さも分かった。そもそも娘と喧嘩しても勝てない」と苦笑しながら、温かく見守っています。

講演後は会員PRに移り、サポーター会員の株式会社テクノア(岐阜県岐阜市)の堀直樹製造業ソリューション事業部事業部長が部品加工業向け生産管理システム「TECHS-BK®Ver.5」を紹介しました。このシリーズは1994年から手掛け、約4500社に利用されています。「Ver.5」はクラウド型のサブスクリプションモデルで、「維持管理コストが低減し、災害に強い。進捗管理、原価管理はもちろん、オプションとしてAI類似図面検索もできる。戦略マネジメントゲームの無料研修も用意している」とアピールしました。

 続いてサポーター会員のヒューネクスト株式会社(名古屋市)の鈴木世津代表取締役が、

femUniti株式会社(米デトロイト市)のミーガン・ワードCOOとともに、「日米の女性起業家のイノベーションを支援していく」とアピールしました。

 また、会員の株式会社セライズ(東京都大田区)の金子素子代表取締役社長が、セラミックを原料から焼成まで一貫生産できる強みを生かして香り付きセラミックプレートを開発、シャネルから注文を受けたことをアピールしました。このセラミックプレートは、吸水性があり、アロマオイルや香水をしみ込ませて香りを楽しめるそうです。このほか、同社ではセラミックフラワーフォルダーを「素(MOTO)」ブランドで展開しています。

懇親会では渡邊代表理事のあいさつ、来賓の経済産業省/経済産業局(関東経済産業局)局長 太田 雄彦 様、自由民主党 衆議院議員 加藤 勝信 様、参議院議員 太田 房江 様の挨拶の後、経済産業省/中小企業庁 創業・新事業促進 課長 伊奈 友子 様が乾杯のあいさつを行い、懇親会を盛大に開きました。