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2021年11月18日(木)

DXの取り組みが進む愛知の工場並びに農園3社の見学会を開催しました。

2021年11月17~18日、ものづくりなでしこ愛知企業の見学会を開催。16名の会員が参加しました。

株式会社テルミック 様 訪問レポート

1社目は、「ものづくりのエンターテイナー」として、IoT・IoE(Internet of Everything)に取り組むものづくり企業、株式会社テルミック(本社:愛知県刈谷市)のりんくう常滑工場を見学しました。

テルミックは、国内外の取引会社ネットワーク約3,000社以上と連携し、幅広く部品加工を請け負い、中部国際空港近隣という好立地な条件を存分に生かした短納期化と、材料調達から検査納品までITを駆使した、一貫生産管理体制を実現しています。

田中社長は出勤後に自らの足で現場を回り、現場や業務の導線の改善、社員のモチベーションUPに繋がる仕組み、社員の負担を軽減させる為の自動化などの改革を進めた結果、直近5年間で売上高10倍に拡大させました。

社内では業務の見える化・ペーパーレス化の仕組みが整っており、また最先端機器の導入や無人搬送用ロボットを活用した工場内物流の省力化・省人化により、若手社員や女性の活躍に向けた環境整備が進んだ工場を見学させて頂きました。

また、経営理念「ものづくりのエンターテイナー ~製造業に携わる人たち全てを楽しく、ワクワクさせる会社を目指す~」が社内の至る所に散りばめられており、見学会に参加した会員の皆様も“ワクワク要素”を楽しんでいた様子でした。





大野精工株式会社様 訪問レポート

2社目は、精密金属加工業を経営しながら、福祉と農業の三本柱による多角化経営を行う、大野精工株式会社(本社:愛知県西尾市)のトマトとイチゴハウス「King Farm」を見学しました。

リーマンショックの苦い経験から多角化経営を実践しリスクを分散させる。同時にシナジー効果を発揮し経営基盤の安定を図る。「前へ」進む事を経営理念に掲げ、何事にもチャレンジする姿勢を今回対応して頂きました社員の皆さんから数多く感じる事が出来ました。

「King Farm」が実践するIoTでは、ハウス内の“気温” “湿度” “CO2濃度”を自動管理し、365日昼夜問わない農作業の省力化・労力軽減を実現。先端技術を駆使したスマート農業がここにありました。

育てた商品の品質管理にも余念がなく、糖度測定し「おいしさ」を保証。絶対品質なトマトとイチゴを育むためには、熱い情熱を秘めた作り手の存在も大切だという事を改めて実感する見学会でした。

大野社長は「製造業の経験があっての農業事業」と。農業を始めて、製造業界が進んでいる事を改めて実感する。そして真剣につくり、品質を安定させ、良いものを届ける。異業種であっても基本は全く一緒である事を私たちも学ばせていただきました。


日進工業株式会社様 訪問レポート

自動車部品を中心とした精密プラスチック成形を行い、それら生産設備の稼働状況を可視化し生産性を飛躍的に向上させている日進工業株式会社(本社:愛知県碧南市)の武豊スマート工場を見学しました。

徹底したIoT化が図られている武豊スマート工場は2015年に新設。データはすべてクラウド上で管理。オープンソースソフトウェアを活用しシステムは全て社内で構築しています。射出成形機180台に自社開発のセンシング装置「MCM System」を取り付け稼働率の徹底管理を行い、取り組み当初55%だった稼働率も現在では95%に向上しました。

現場は製造から出荷までシンプルなレイアウトが組まれており、無駄な運搬工程を省き、大きな自動倉庫が活躍していました。また現場の至るところに大型モニターを設置し、全拠点の稼働状況の視える化を実現。 問題発生時は、Siriを活用した音声アナウンスが工場全体に通知され、社員全員が把握できる状態になっていました。

「チョコ停は不良を誘発する」。稼働状況の見える化により各機械の停止状況が明確になり、停止の原因を1件ずつ潰した結果、品質不良は激減したと長田社長は言います。

徹底した管理を窮屈だと感じる社員もいる一方で、利益体質の組織に変化。みんなで生み出した利益をしっかり社員に還元しているそうです。

社員教育にも余念が無く、「技術で勝負できる人材育成」を目指し、キャリアステップを明確にしたお手製カリキュラムは国内のみならず中国工場にも浸透。目指すは、ただできるだけではなく、「教える事・伝える事」ができる人材を育てて行きたいとの事でした。