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2019年10月30日(水)

広島工場見学会を開催いたしました。

10月30日と31日に、ものづくりなでしこ広島工場見学会を開催。約30名の会員の皆様にご参加いただきました。

 

株式会社キャステム 様 訪問レポート 

10月30日1社目は、医療機器、自動車、航空機、宇宙関連など工業向けのみならず、幅広い業界に対し精密鋳造部品の製造販売を行う、株式会社キャステム(広島県福山市)(以下同社)を見学しました。
同社は1948年、製菓会社として創業、お菓子の製造並びに、型や機械の修理を行っていました。その後、機械の修理等をする製菓機械部門を設立し、独立。現在は精密鋳造部品のリーディングカンパニーとして成長し続けています。
当日は、3Dスキャンで新製品を生み出すアイアンファクトリー事業の取り組みを中心に、キャステム流、社員が楽しく働ける環境づくりを紹介いただきました。
アイアンファクトリー事業で生み出した製品は、広島カープ黒田選手の手形、カープベルト、さらに世界的ボクサー、パッキャオ選手の手形など様々。これらの枠組みにとらわれないオリジナル製品は社員のアイデアをもとにして作られており、普通の人なら話すだけで終わってしまうようなひらめきも、社内で蓄積し、実行するための仕掛けが工場のいたるところに施されていました。純粋に働くことが楽しそう、と感じる素敵な工場ですが、まだまだ発展途中のようで、今後の進化がとても楽しみです。

 

 

 

ローツェ株式会社 様 訪問レポート

10月30日2社目は、半導体関連装置、FPD関連装置、ライフサイエンス関連装置、モータ制御装置等の設計・製造・販売を行う、ローツェ株式会社(広島県福山市)(以下同社)を見学しました。
ローツェの社名の由来は、世界最高峰の山、エベレストの隣にそびえたつローツェ峰にあります。エベレストをお客様にたとえ、そこに隣接するローツェ峰のように常にお客様に寄り添い、高い技術で半導体・FPD産業を支えたいという思いが込められています。創業当初の本社社屋はプレハブでしたが、成長を遂げ、現在は高原リゾートのような佇まいです。そんな社屋ではR&D拠点として、研究開発が行われており、生産のほとんどはベトナム工場に集中しています。
同社のフィロソフィーは「技術に自信を持って、楽しみながら仕事のできる集団」です。部屋の壁や仕切りをなくしたワンフロアのオフィスは、社員間のコミュニケーションを活発化させるための仕組みであり、整理整頓が行き届いているきれいな社内は、社員が気持ちよく働ける環境を作り出していました。社員が自信をもち楽しく働くことは利益へとつながり、好循環をもたらします。そしてその好循環は会社にとっても社員個人にとっても幸せをもたらしていました。

 

 

株式会社ディスコ様 訪問レポート

10月31日は、株式会社ディスコの製造拠点である桑畑工場(広島県呉市)(以下同社)を見学しました。同社の主力製品は、主に半導体の材料となる「シリコンウェハー」と呼ばれる円盤状の素材をダシジング(小さく切り分ける)、グラインディング(薄く削る)、ポリッシング(鏡のように磨く)する「精密加工装置」と、装置に搭載して加工を行う「精密加工ツール」です。
同社では組織が進化し続けるための制度や取り組みを、積極的に取り入れています。社員に採算意識を持たせ、個々人に経営者感覚を持たせるために作られた「Will会計制度」は、業務に「Will」と呼ばれる通貨単位で値付けをして、対応した社員が依頼者した社員や部署からその金額を受け取ることができます。さらに、施設の利用や備品の貸し出し、自身の人件費等、社内のあらゆるものに値付けがなされ、各自の収支は見える化されています。この制度により、全社員がWill収支の最大化とお互いの信頼関係を考えて働くようになり、その結果、会社全体の利益が最大化していくことを目指しています。また、継続的進化を目的として考案された「PIM(Performance Innovation Management)制度」は部署や業務単位で定めた「あるべき姿」を基に目標値を設定し、日々の「気づき」よりショートインターバルで改善し続ける活動です。日々の業務から生まれる課題や気づきを共有し、解決するための新しい手段や方法を考え抜きます。社員同士ゲーム感覚で行う要素も取り入れ、気軽に新しいアイデアが生まれ、絶え間なく改善を続けています。
そのほかにも同社ならではの様々な仕組みがあり、どれもPDCAサイクルを回すことによって組織が進化し続ける工夫がなされていました。現状に甘んじることなくチャレンジする価値観が、同社の力の源といえるでしょう。