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2018年11月22日(木)

第三回勉強会&意見交換会を開催しました

 

2018年11月22日(木)「人財」をテーマとした、勉強会と意見交換会、加え少し早めの忘年会を開催、50名程の参加者様にお集まりいただきました。
勉強会ではサイボウズ株式会社の執行役員 事業支援本部長 中根 弓佳様に講演いただき、
意見交換会ではグループディスカッションの形式で、参加者同士意見を交わされました。

 

サイボウズ株式会社 執行役員 事業支援本部長 中根 弓佳様 講演 レポート

サイボウズ株式会社 執行役員 事業支援本部長 中根様に「チームで組織を強くする」というテーマでご講演いただきました。1997年の創業後、売り上げは右肩上がりでしたが、2005年ごろに離職率がピークで28%・2週間に1人辞めていくという事態に直面しました。中根様が「7K企業」(きつい・帰れない・給料が安い・規則が厳しい・休暇が取れない・化粧がのらない・結婚できない)と評したかつての会社は、個人の働き方の時間と場所の多様化を進めたことにより、2017年時点で離職率は4%まで下がりました。

 

取り組みの具体例としては、ワークライフバランスのワーク部分を重視した裁量性労働や、ライフ部分(子育てなど)を考慮した時短勤務を選べるほか、個々の都合でオフィスにて仕事ができない場合に別の場所で仕事をできるようにするといったことがあげられます。こうした改善によって、障碍者雇用や個人の業務効率向上につなげることが出来ました。また、この他にも社員のキャリア多様化を考慮した制度「育自分休暇」「複業」などを取り入れていきました。前者は、サイボウズ退職後6年以内ならば復職可能という制度、後者は収入の有無に関係なく副業を認める制度で、自分らしいキャリアを積むことを狙いとしています。この「複業」には家事・育児・ボランティアなど様々な活動が含まれます。

 

こうして個人の働き方の自由度が上がった一方で、それぞれの個性を活かしながらチームで作業していくため、続いて仕事の共有化を促進しました。同期型と非同期型のツールをうまく組み合わせたり、日報を毎日つけることで活動を共有したりと、チーム内で常に動きを把握できる環境(見える化)を整えた結果、仕事効率も上がったそうです。「個」の働き方を見直したことで、「チーム」の動きも活発化され、魅力的な会社に生まれ変わりました。

 

かつては、社員に笑顔が無かったと話す中根様。今は講演時のスライドやホームページの写真を見ると「ワクワク感」に溢れており、楽しんで仕事に取り組んでいる様子が手に取るように伝わりました。

 

意見交換会 レポート

講演会の後、意見交換会を行いました。A~Gの7グループに参加者を分け、各6人前後のチームで「IT化による働き方改革」「採用と教育」「セクハラとパワハラ」の3テーマから2テーマを選んでディスカッションが行われました。1時間を使って2テーマを協議、その後各チームでまとめた意見を5分程度で発表頂きました。

 

テーマ1:「IT化による働き方改革」

IT化の導入について検討段階の企業では、社内で導入を積極的に進めようとする声がある一方で、一部(主にトップ層)の反対意見もあって中々スムーズにはいかない、という入り口段階での問題がまず上げられていました。また既に導入した企業からも、現場の声を無視してシステムが作られてしまったため使いづらいという意見や、社用スマホを配布してSNSの活用などで効率化はできたが、プライベートとの境界線が曖昧になり、出退勤管理がしづらい、といった課題が共有されました。改善点は未だ山積みという印象です。しかし、そうしたマイナスの意見が出た一方で、サイボウズ様の講演内容とも照らし合わせて、ITについてもっと勉強していかなくては、という声、営業部と製造部の仕事を見える化して引継ぎや連携をもっとスムーズにするために、積極的にIT化を進めたいという前向きな意見も出ていました。

 

テーマ2:「採用と教育」

どの会社も「人が採れない」ことを第1の課題として掲げており、どうしたら若者に来てもらえるか、各社とも模索している印象でした。採用に繋げるためにそれぞれ工夫を凝らしており、意見として上がっていた対応策は、社屋を新しくすること、社員教育や福利厚生を充実させること、経営層や現役社員を巻き込んで会社の魅力を発信してもらうことなどです。また、日本の少子高齢化に伴い、外国から留学生を雇う方策を取っている会社もありました。言葉の壁はあるが、留学生と日本人の社員同士で互いの言語を教えあうなど、交流を深められているケースもありそうです。

また教育面の話では、新人のみならず採用する側の教育も大事と考えている会社もあり、カウンセラー資格(心理学)を学ばせようとしている方針も聞かれました。

 

テーマ3:「セクハラとパワハラ」

実はパワハラは意外と近くで発生しているものかもしれません。25名以上の社員規模になると実態を把握しづらくなるので、グループに分けて見える化を進めてもいいのでは、という意見が出ていました。また「それはセクハラ/パワハラだ」と言ってしまうとそこで議論が終わってしまうため、何でも話せる家族のように常に互いの信頼関係を築いていくべきという主張がありました。